根塚 康行 施設長（有料老人ホーム 夢別邸すみれが丘)のインタビュー

『夢別邸すみれが丘』開設までの経緯をお聞かせください。

『夢別邸すみれが丘』は、『山本記念病院』を母体として2015年4月に開設しました（横浜市営地下鉄・センター北駅よりバスで17分、東急田園都市線・たまプラーザ駅南口よりバスで9分）。『山本記念病院』では、15年ほど前より在宅医療を始めております。在宅医療とは、患者さまのご自宅に診療にうかがうことです。その過程の中、患者さまのご家族より、最後の最後まで見ていただけないかというお声を頂くことが多くなってきました。また同時に、介護を実際に担当していた職員からも、「これまでずっと担当してきたのに最期の時に関われない。こんな寂しい話はありません」という声も聞き及んでおりました。こうした声に少しでもお応えする形で、『夢別邸すみれが丘』という入居施設は誕生しました。

病院が母体であるというのは、ご家族にとっても心強いですね？

『山本記念病院』はもちろんのこと、同建物内の『すみれが丘そよかぜクリニック』『すみれが丘ひだまりクリニック』と連携をはかり、お客様のお体の状態に合わせた診療をおこなっております。 最大の特徴は、そのフットワークの軽さと言えるでしょう。当施設では、お客様の声、ご家族様の声をダイレクトに伝えることにより、すぐさま反映できるよう日々努力しております。ご意見の中には、良い面、悪い面の両方がそのままの形で伝わってきます。その思いをダイレクトに、そしてスピーディーに反映できるという点は、当施設ならではの最大の特徴と考えております。

日々の上質な暮らしを彩る、さまざまな工夫を教えてください。

お部屋は、和風、洋風、アジアと、趣の異なる3タイプをご用意しています。ご自分の心境にあったお部屋を選べる事が出来ます。お部屋の中の調度品にもこだわり、クロスや椅子、カーテンを1つ選ぶにしても、すべて当施設の理事長が選び抜きました。クラブサロンでの交流を通じ、仲良くなったお客様が、「この方のお部屋の近くに移りたいわ」と仰り、引越しされたケースもございます。出来る限りお客様のご要望に応えられる施設を目指しております。

ご家族様のお話をうかがいますと、お客様の多くが、それまでご自宅のベッドないしソファーで1日テレビを見て過ごされる生活を送られていたようです。ご家族様が希望されるのは、おじいちゃん、おばあちゃんに楽しく余生を過ごしてもらいたいということ。その想いを実現すべく、クラブサロンでは30教室を越えるレクリェーションをご用意しています。みなさんのこれまでの趣味や特技を生かしていただくのも良いですし、ここで新しいことを始めていただくことで、あらたな生きがいにつながっていければと願っております。
『夢別邸すみれが丘』ではこの他、定期的なコンサートの上演や、地域の子ども達が施設を訪れるキッズダンス等をおこなっています。地域の方々のご協力を得ながら、地域と共に歩む施設として根差していければと考えております。

施設長主催「男性の為のミステリーツアー」とは？

私が主催をさせていただいて、このツアーを企画しました。男性のお客様は女性と比べ、なかなかレクリェーションに参加されない傾向がございます。これは仕方のないことかもしれませんが、生きがいのある楽しい生活を求められてご入居されてこられましたので、少しでもコミュニケーションが図れるよう、男性による男性のためのツアーを企画した次第です。お客様に日々を楽しく過ごしていただくめには、おひとりおひとりのご性格や、今に至るまでの背景を知ることが大切です。コミュニケーションをとっていく中で、本音を話していただけるようになればと思いますし、お客様をよりよく知ることで、私たちもかかわり合いをより深いものにしていければと考えております。
ミステリーツアーは、直前まで行き先は秘密とさせていただいています。逆に、「どこに行くかわからないのに、行けるか！」とお叱りを受けることもあるのですが（笑）。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

お客様に接する際の対応はマニュアルを作り、その通りに接することは可能かと存じますが、人と人のかかわり合いには、感情があり、個性があります。常に敬う気持ちを忘れず、職員ひとりひとりの個性を生かし温かい介護をご提供出来るよう心掛けていきたいと思っております。『夢別邸すみれが丘』は、お客様とご家族様、そして私たちが一緒に運営していくという理念を掲げています。ご意見やご希望は、ためらうことなくどんどんとお出しください。お客様の終の住処がより良い場所となるよう、一緒にあらたな暮らしを創造していければと考えております。

※上記記事は2016.05に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。