三井 将 院長(みつい歯科クリニック)のインタビュー

みつい歯科クリニック 三井 将 院長

みつい歯科クリニック 三井 将 院長 MASARU MITSUI

昭和大学歯学部を卒業後、勤務医として幅広い症例を経験し、スキルを磨く。2013年、「都筑ふれあいの丘駅」に開業。

歯科医師を志されたきっかけと、「都築ふれあいの丘」で開業された経緯についてお聞かせください。

親戚に医療従事者が多く、子供のころから影響は受けていました。しかし本格的に興味を持つようになったのは、歯科医師を目指していた友人の話がきっかけです。学びの領域が「深くて広い」こと、そして歯の健康が体全体の健康に大きな影響を及ぼす点など、将来の職業として選択することに大きな意義を感じました。大学卒業後は大学院に進み、医局で仕事をしながら歯周病学教室で勉強を続けていました。そして卒業を間近にした頃、医局の先輩から大きなチャンスをいただきました。歯科医師のスタディ・グループ「JIADS(ジアズ)」の講師・宮前守寛先生の歯科医院(大阪)で欠員が出て、歯科医師を探しているというのです。JIADSとは、「The Japan Institute for Advanced Dental Studies」の略で、専門性の高さで知られる研修団体・米IADSの姉妹組織です。臨床現場でより高度な技術を習得できる….そんな期待から、すぐに大阪での勤務を決めました。両親には事後報告でしたので、東京近辺で根を下ろしてくれると信じていた父は大変な驚きようでした。
その後4年間は「宮前歯科クリニック」と「千里・ペリオ・インプラントセンター」でお世話になりました。関西でのコミュニケーションギャップを感じることはあまりありませんでしたが、大阪では医療機関でも「負けて」というご相談を受けることがありました。然るべき治療をさせていただいた上での料金提示ですから、「負かりまへん」とお返ししましたが、そのようなやりとりが楽しかったですね。関西弁に染まりませんでしたが、標準語を話しているのに普通の単語のイントネーションだけ「関西ナイズ」されるという変な状態が続きました(笑)。関東に戻ってから結婚し、1年程度数軒のクリニックで非常勤の歯科医師としてお世話になりました。
そして、いよいよ開業を決意したとき子供ができました。ですので、開業地は子育てにも適した場所を探す必要がありました。毎週末住宅情報サイト「アットホーム」の最新情報をチェックし、実家のある江戸川区、自宅のある横浜市青葉区以外にも候補地を手当たり次第見に行きました。検討の結果、人口流入が多く商業施設と緑に恵まれたこの場所を選びました。開業は昨年の11月で約半年ほどが経過しましたが、みなさまの健康意識の高さに驚かされています。きちんとケアされている方が多く、助かっています。

診療方針について教えてください。

患者さんを治療させていただいた後は、その結果を必ずフィードバックし結果がよくても悪くてもその理由について検証します。すべての職業で言えることですが、考えなくなったら「おしまい」なのです。大学生の頃、歯科医になって2年目の先生が「2年目くらいには、何でもできるようにならなくては」とおっしゃっていましたが、現在になって考えるとそんなことはありません。「何でもできるようになった」と思ったところで、人の成長は止まります。「悩んで考えて」を一生続けて一歩ずつ階段を上るものだと考えています。

予防治療に力を入れていらっしゃるそうですね。患者さんの日頃のケアで、どんな指導をされていますか?

やはり「きちんと磨きましょう」とお伝えするだけでは、ご理解いただけません。歯磨きをなさらない方はほとんどいらっしゃいませんが、汚れの落とし方が間違っているのです。そこで、そもそもなぜ歯磨きが必要なのか、患者さんの口の中がどのような状態になっているのかをご説明し、歯ブラシが届かないところを知っていただくようにしています。そうするには、従来の言葉でのご説明だけではどうしても限界があります。そこで当院では、ブラシが汚れをどう落とすかをアニメーションでご覧いただきます。通常の歯ブラシとともに、ブラシの面積が小さく毛先がやや長めの「タクトブラシ」を併用していただくのですが、このアニメですとタクトブラシの当て方と動かし方が目で見てご理解いただけます。ただ歯磨きが上手になってくると、だんだん手を抜き始める患者さんもいらっしゃいます。その方独自の歯磨きの癖があり、習ったことは徐々に忘れてしまいます。正しい歯磨きを続けるモチベーションをどう維持していただくかも課題として考えています。
治療内容につきましても、言葉でのご説明ではなかなかご理解いただけないことも感じてきました。そこで歯科用のデジタルカメラで履歴をお撮りするようにしました。ペン状のカメラになっていて口内の隅々まで映し出せます。これを使って撮影することで、治療前後の状態はもちろん、治療期間中の各回の様子も詳細に記録できます。たとえば虫歯ですが、歯がどのように蝕まれていてどう削ったか、どのように仮詰めをしたか、詰め物をどうかぶせたかをご覧いただきます。これで、通院終了後もケアの仕方がよくご理解いただけると思います。

お口の健康について、先生のお考えをお聞かせください。

口の健康を守るには、清掃としての「歯磨き」を生活習慣として確立していただきます。正しい歯磨きをしっかり続け、定期的なチェックも受けていただきたいと思います。歯科医師としましては、清掃やメンテナンスがしやすい治療を心がけています。たとえ食べかすが挟まらなくても、ばい菌がつきやすいものはできるだけ使わないようにしています。詰め物や被せ物にセラミックを用いることが定着してきましたが、セラミックにはプラーク(歯垢)がつきにくいという特性があります。当院では最新式の「セレック」(CEREC:コンピュータで歯の形状をスキャンし、セラミックキューブを削って修復物を設計・製作する独製CAD/CAMシステム)を導入しています。高価だったセラミックの被せ物を、比較的安価かつ短期でお作りできますので、ぜひご相談ください。もちろん、ご予算に応じてほかの治療法もご提示できます。

診察で心がけていることと、地域の皆様へのメッセージをお願いします。

ご納得いただけるまで説明することです。そのために視覚的にご理解いただくためのツールも揃えました。あとは先にも申しましたように、患者さんの日頃のケアを念頭に置いた治療をさせていただいています。たとえば歯が歯茎(はぐき)に埋もれている患者さんの場合、軽い麻酔をして歯茎を電気メスで切り、歯の輪郭を出して被せものをするケースが一般的です。しかしそれでは経過が芳しくないことがあります。それは歯磨きのしづらさなどが起因することも少なくありません。そこで患者さんに十分ご説明し同意が得られれば、歯茎を開いて歯茎を下げ、歯の周りの骨を削ります。そうすることで歯茎の上に健全な歯質を出し、そこに被せ物をするのです。このような治療をした場合、治療後の経過は良好です。しかしあくまで患者さんの同意が得られなければいけません。ただどのようなケースにも対応できるよう、治療法の引き出しを作っていこうと考えています。地域のみなさまには、口の中を見せていただき磨きにくい箇所と磨き方をアドバイスさせていただきたいと思います。歯ブラシは単に食べかすだけではなく、黴菌を除去するものでもありますから、そのことをきちんとお伝えしていきたいですね。

※上記記事は2014.4に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

みつい歯科クリニック 三井 将 院長

みつい歯科クリニック三井 将 院長 MASARU MITSUI

みつい歯科クリニック 三井 将 院長 MASARU MITSUI

  • 好きな本・愛読書: 伊坂幸太郎、池井戸潤、誉田哲也、近藤史恵などの著作
  • 好きな映画: 「ユージュアル・サスペクツ」(1995年、米PolyGram Filmed Entertainment)。流行は追いませんが、勧めていただいたもの、気になるものを借りて観ています。
  • 好きな言葉・座右の銘: 為せば成る。為さねばならぬ何事も。
  • 好きな音楽・アーティスト: :クリニックではピアノ曲をかけていますが、車の中ではエアロスミス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどを楽しんでいます。
  • 好きな場所・観光地: 新婚旅行で訪れたスペイン。趣味がサッカーでバルセロナの試合を見に行ったのですが、ガウディの建築にも感銘を受けました。
  • 出身地: 東京都江戸川区
  • 趣味・特技: 読書、料理、お酒。仏料理のコンフィ(肉などを低温の油で煮る料理)も自作します。子供の授乳が終わったら、再び妻と一緒に晩酌ができるのを楽しみにしています。

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