中山 昇 院長(おおくま歯科医院)のインタビュー

おおくま歯科医院 中山 昇 院長

おおくま歯科医院 中山 昇 院長 NOBORU NAKAYAMA

大学卒業後、勤務医として幅広い症例を経験。2001年、地元である大熊町に開業。

この道に至るきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。

きっかけは、小学校の時に通っていた歯医者の先生が、格好良かったからですかね。実はこの歯医者さんは2軒目の先生で、その前にはおじいちゃん先生のところに行っていたんです。ところがそれが、銀歯を入れてもらってもすぐにとれちゃうという(苦笑)。2軒目の先生は、治療もすごくスマートに思えましたし、銀歯もするっと入り、結局それは乳歯が抜けるまでずっと持っていました。 私は野球をずっとやっていたものですから、途中、「これで身を立てていこう」と淡い夢を抱いたこともあったのですが(笑)、その夢がはかなく散った時に、改めて、「歯医者さんになろう」と考えたという次第です。 晴れて歯科医師となってから、私は補綴科を選択しました。その理由というのが…大学時代に何人か診る機会があったのですが、先天的に歯がない人というのがいらっしゃいます。無歯顎症というのですが、このケースでは当然、代替の歯が必要になります。また、当時から、虫歯は減っていく傾向にありましたが、その一方で歯周病によって歯を失う方は依然として多い。どちらにせよ、失われた歯を補う技術、義歯(入れ歯)は、今後も必要とされるに違いないと考えたのです。 大学病院に5年間籍を置き、その後開業医さんの元で修養に努め、2001年に『おおくま歯科』を開院致しました。勤務医時代は時に100人を超えるほどの数の方がいらっしゃっていたのですが、そうなりますと、とにかく数をこなすことに追われ、自分の思う治療を手掛けていくことなど、とても出来ません。ゆっくりと丁寧に診ていくこと。私の思う治療を具現化したいと考え、故郷であるこの大熊町での開業となったのです。

『おおくま歯科』の診療方針をご紹介ください。

患者さんの立場になって考えていきたいですよね。自分が患者さんであれば、何をしてもらいたいのか、ということです。そこには、出来るだけ負担を軽くというものもあると思いますし、当院ではまず保険診療をご提案し、ご希望のある方には自費診療の範囲のものもご説明するという形をとっています。 そもそも、保険診療と自費診療の違いがどこにあるかと言えば、それは材料であり、ひいては“見た目”が変わってくるということになります。では、それが耐久性に直結するかと言えば、必ずしもそうとは言えないというのが私の考えです。むしろ、材料の如何を問題にするよりも、いかに丁寧に、いかに適切な治療がおこなわれるかどうかということでしょう。 保険だから、自費だから、ということで差をつけるのではなく、全ての治療を丁寧におこない、患者さんの側に立った診療をおこなっていきたいと考えています。

「長く保つ」入れ歯を作るには?

入れ歯を作る際には、まず型をとらなければなりませんが、それにはトレーというものが必要になります。当院においては、このトレーも既存のものに頼ることなく、自分で製作し、場合によっては入れ歯の歯を並べるところまで自らおこなってから、技工士さんに依頼をするという形式をとっています。 やはり、自分で実際のお口の中を見ているわけですので、自ら並べた方が最終的な調整の時間を少なくすることが可能になります。このようなやり方を堅持しているのは、今では少数派と言えるかもしれません。 話が重なるようですが、保険診療の入れ歯と自費診療の入れ歯の違いもまた、材料ということになります。たとえば、保険診療においては樹脂を使用するものが、自費診療ですと金属になるといった違いです。噛む力が極端に強い方の場合、樹脂では割れてしまうことがありますので、その場合は、自費診療をお勧めするという形になります。 とはいえ、一般的なことを言えばその強度に大きな差はありません。また、いくら良い材料を使おうとも、技術力が伴わないことにはその方にピタリと合う入れ歯をお作りすることは出来ないのです。お口の状況は年々変わりゆくもの。それを考慮すれば、その都度その都度入れ歯に手を加えていきながら、出来る限り長くお使いいただけるようにすることが最適な解という風に私は思っています。

診療の際に心掛けていることを教えてください。

以前に勤務した歯科医院の患者さんが1日に100人を超えるという話をしましたが、それほどの数の方を診るとなると、納得してくれたかどうかを確認することもかないません。当院ではその経験を踏まえ、30分におひとり、時間の掛かることが予想された場合には1時間におひとりというペースで診療をおこなっています。 やはり、丁寧に間違いのない治療をおこなうには、相応の時間が必要となります。それを短縮するとなれば、どこかで手間を省く、ということにつながっていきかねません。また、患者さんが何を望んでいらっしゃるのかということを聞き出すにも、時間が必要となります。じっくり丁寧に診ていく。常にそのことを念頭に置いて患者さんを診させていただいています。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

歯医者に行くこと。それ自体が大事なわけではありません。大事なのは、歯みがきをすること。その歯みがきをきちんとおこなうということなのです。 「8020」という標語がありますよね。80歳になった時に20本の歯が残っているようにと。しかし私は、それだけでは少し不充分なのではないかと思っています。親不知をのぞけば28本ある永久歯。そのうち、仮に20本残っていたとしても、左右の奥歯が4本ずつなくなっていると、噛むことの機能は著しく損なわれます。左右の奥歯が失われた状態で入れ歯を作ったとしても、どうにもならないのです。 大事なのは、六歳臼歯と犬歯。このうち六歳臼歯は、1番最初に生えてくる奥歯になりますから、その分長く使っているわけであり、虫歯になる率が高い歯ではあります。しかし、それを意識して歯みがきをおこなうかどうかで、結果は確実に変わってくるのです。 是非正しい歯みがきの方法を会得してください。教わることを恥ずかしがる方の気持ちもわからないではないですが、自分の歯を守るために必要なスキルととらえていただきたいですね。
※上記記事は2014.12に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

おおくま歯科医院 中山 昇 院長

おおくま歯科医院中山 昇 院長 NOBORU NAKAYAMA

おおくま歯科医院 中山 昇 院長 NOBORU NAKAYAMA

  • 好きな言葉・座右の銘: 自分に出来ないことを人に要求しない
  • 好きな音楽・アーティスト: スピッツ
  • 好きな場所・観光地: 温泉
  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味・特技: スポーツ(ボーリング、ゴルフ)
  • 好きな本・愛読書: 車雑誌
  • 好きな映画: アクション

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