片岡 代表 ＆ 比嘉 チャイルドマインダー（APどろんここぶた)のインタビュー

この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

【片岡 恵美子 代表】私自身に子供が産まれたことからですね。それまでは保育の仕事に関わったことは全くなかったのですが、長男が産まれて、人間の原点である「子どもの世界」の面白さに引きこまれたことがキッカケになりました。
チャイルドマインダーの資格を取り、自宅で現在の仕事を始めたのが2005年のことになります。
当初は1人で始めたのですが、ご自分のお子さんを遊ばせていらっしゃった比嘉さんと公園で知り合い、一緒に手伝っていただくことになりました。

【比嘉 香里 チャイルドマインダー】
朝、おにぎりを持って出かけて、夕方まで公園に居るような毎日を送っていました。そんな中、片岡さんと出逢ってお話を聞き、「私もやってみよう」と思ったのが始まりですね。
チャイルドマインダーの資格を得るには研修所に通わなくてはなりません。毎週日曜日、主人に子供を預けて研修所に通う日々を3ヶ月続けました。今こうして仕事をしているのも主人の協力あってのものですから、それは本当に感謝しています。

『どろんここぶた』の特徴についてお聞かせください。

【片岡 恵美子 代表】チャイルドマインダーとはそもそもイギリスの国家資格に端を発します。あちらでは家庭保育が主流になっていて、お子さんを預かって自分の子供と一緒に時間を過ごすというのが基本なんだそうです。
チャイルドマインダーの規定そのものがそうなっているのですが、一般の保育園に比べ、保育者の人数に対する子供の数が少ないというのがウチの特徴になります。
これには安全面を考慮するという意味もありますが、決してそれだけが理由ではありません。子供同士のやり取りをつぶさに見て、心の動きを感じるには少人数であることが好ましいのです。
子ども達の気持ちを汲んで、丁寧に掘り下げていく。一人一人が主役である、贅沢な保育を目指しています。

子供と接する際、心掛けておられることについてお聞かせください。

【片岡 恵美子 代表】子供には子供の世界があって、その世界のやり取りを壊してはいけないと思っています。
まだ言葉で上手く伝えられない時期、気になる人を引っ張ってみたり、勢い余ってドンって突いてしまうことってありますよね。その子にしてみればただ単に遊びたかっただけなのですが、そこを「遊びたかったんだ？でも、いきなりだからビックリさせちゃったみたいだよ。」と説明をしてあげる。
頭ごなしに「ダメでしょ」ではなく、子ども自身の経験から学ぶことは多いと思うんです。大人が何でも介入するんではなくて、子供同士のちょっとした橋渡しが出来るようにと考えています。

【比嘉 香里 チャイルドマインダー】
子供の小さい達成感をいっぱい味わわせてあげたいという気持ちがあります。
子供って「公園に行くよ」と連れいっても、その途中で立ち止まってしまうことがよくあるんです。溝とか壁の穴とか、何かの虫に興味を抱いて動かなくなってしまうんですね。そこで「早く早く」と急き立てるんではなくて、気の済むまで遊ばせてあげるようにしています。
散歩がそれだけで終わってしまうこともあるんですけど（笑）、「ああ、面白かった」という子供の小さな達成感を大事にしてあげたいんです。その達成感を積むあげていくことで、子供は成長していくんだと思うんです。

『どろんここぶた』で催されているイベントについてお聞かせください。

【片岡 恵美子 代表】例えば「ママと一緒に小麦粉粘土＆手形足型作り」というイベントがあります。
小麦粉に水を入れて好きな絵の具を混ぜ、思い思いに形を作ったり、足に直接絵の具を付けて足形を取ったりといった内容です。要はみんなで一緒に服を汚してもいいから、ワァーって遊びましょうっていうイベントですね。
また、イベントとまではいかなくても、よく小学校の5、6年生の子ども達を集めて大人も巻き込んで公園で追いかけっこをすることがあります（笑）。子供に思う存分遊んでほしいということと、大人の方もたまには子供心に戻っていただきたいという思いからですね。
「子供とどうやって遊んだら良いかわからない？」というご相談を受けることもありますが、自分の子供心を取り戻すことで子供の気持ちが見えてくるように思うんです。

最後に地域の親御さん達へメッセージをお願い致します。

【比嘉 香里 チャイルドマインダー】保護者の方はもちろん、この地域に昔からお住まいになっているおじいちゃん、おばあちゃんが子供を介してゆるくつながっていける場になれればと考えています。
公園づきあいで悩んだ時、おもいきり遊ばせたい日、気軽に立ち寄ってもらえたらいいですね。

【片岡 恵美子 代表】
子供の時間はあっという間に終わってしまいます。社会性や自我の確立、大人に認めてもらえることから始まる他者への信頼感など、この時期は人としての根っこの部分を培っていく大事な時期です。だからこそ伸び伸びと遊び、気持ちを解放する場所が必要だと思うんです。
キレイキレイだけじゃなく、時には思いっきり手も足も泥んこになって遊ぶ。そうした場所であり、時間を提供していきたいなと考えています。

※上記記事は2011.5に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。