中村 裕子 院長(中村歯科クリニック)のインタビュー

中村歯科クリニック 中村 裕子 院長

中村歯科クリニック 中村 裕子 院長 NAKAMURA YUKO

大学卒業後、保存科を中心に幅広く研鑽を積む。1995年、横浜市都筑区に開業。

この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

学研の『科学と学習』ってご存知ですか?科学は本当に毎号、毎号楽しみにしていて、付録は全部作っていました。理科系への興味はそこで養われていったのかもしれませんね。はっきりと「あのとき、あの瞬間に歯医者になることを決めました…」なんて大きなキッカケはなかったんです。振り返ってみれば小学校の時にいつも保険委員だったり、矯正を経験していたり、そんな些細なことはいくつもあるんですが・・・、でも案外そういうものかもしれませんね。様々なことが組み合わさって歯医者さんという将来が出てきたんだと思います。

大学を卒業後は保存科に入局しました。保存科は一般に歯を残すための学問なんですが、実際にはその枠にとどまることなく様々なことを経験出来ました。色々とオールマイティに学べたというところですかね。
その後地元の総合病院に勤務したのち、こちらへ出てきました。『中村歯科医院』が現在の場所に建ってもう17年が経つということになります(1995年開院)。

中村先生が診療の際に心掛けていることをお聞かせください。

傷んだ箇所そこだけを診るのではなく、その方の背景に至るまで全体を診るように心掛けています。何故この歯が痛いのか?何故この歯が患ってしまったのか?その理由を考えるところから始まるんですね。痛いのを治せば終わり、ではないんです。
「歯が痛む」ということには虫歯が原因と思われがちなんですが、全体の比率から言えば虫歯が原因となっている痛みは少ないほうかもしれません。
一例を挙げますと、お産した後のお母さんの顎のずれ、です。出産の時には産道を開くために靭帯をゆるくするホルモンが分泌されます。このホルモンは産道だけに働きかけるのではなく、全身に流れていくものですから、子育て中に前屈みの姿勢が多くなることで噛み合わせがずれてしまうんですね。女性特有の頭痛はこの出産時の顎のずれから生じていることも多いと思っています。
傷んだ箇所だけを診るのではなく、その方の背景までを聞き取り、根治を目指して診療をおこなっています。

「噛むこと」の意味とそれを用いた治療法についてご説明ください。

歯にはそれぞれの役割があるのです。前歯には前歯の、犬歯には犬歯の、臼歯には臼歯の役割があるのです。正しい位置で咬めるようにすることが基準です。

顎の変形といった症状の改善には、正しい位置で咬めるようにするためにマウスピースやガムを用いることがあります。
ガムというのは前歯では噛まず、奥歯で噛みますよね。ガムを噛むことで歯が極端に前傾することなく自然に筋肉のバランスがとれるようになり、それを繰り返すことで本来の噛み合わせへと導くことが出来るようになります。
その時重要なのが必ず右に1つ、左に1つのガムを噛むこと。放っておけば人はどちらかの歯に偏って噛んでしまいますから、両方の歯で均等に噛むことが大事なんですね。
噛むという行為が人にとっていかに重要なことなのかということがおわかりいただけるかと思います。

唾液の重要性についてお聞かせください。

もう1つ、噛むという行為にはメリットがあって、それは唾液の分泌を促進するという点です。唾液には消化を助ける役割の他に、外から侵入するばい菌を殺菌したり、口の中を洗い流す効果があります。噛むことで唾液の分泌を促し、口腔内を“熟成”させることにより虫歯や風邪の予防が可能になるんですね。
この唾液は年齢とともに減る傾向があります。それによって歯が弱っていくとも言えるんですが、残念なことに70歳以上の方にとって「ガムを噛む」という行為は下品なものに映ってしまうんですね。
そうした場合、お薦めするのがバタカラという器具です。このバタカラは本来脳梗塞の方のためのリハビリ用として開発されたものなんですが、これを使用することにより唾液腺の働きを促進させることが可能になります。
お口を通してのアンチエイジングということにも注力していきたいですね。

最後に地域の皆様へメッセージをお願い致します。

以前に下の前歯が折れて当院を訪れたおじいちゃんがいらっしゃいました。見ればそのおじいちゃんの上の歯はあっちこっちに向いてたんですね。「そちらも治したほうが…」と提案したところ、おじいちゃんから思いもしない言葉が出てきました。「孫が、その歯を出して笑うなって言うんです」。家族のことですからきっと今まで誰にも相談することが出来なかったんだと思います。相談の上、入れ歯も含めて不具合を全て治すことになりました。結果、笑えるようになったのはもちろんなんですが、思いがけぬことに治療を終えた途端、スタスタと歩けるようになられました。聞けば腰が痛くて何年も不自由をされていたそうなんですが、正しい位置で噛めるようになったこと予想を超える効果を生むこととなりました。
健康で美しい歯はコミュニケーションに良い影響を及ぼすことのほかに、思いも依らない効果を生み出すことがあります。「こんなことを言っても良いのかな?」と逡巡されず、悩んでいることを余すところなくお伝えいただきたいですね。おひとりおひとりの期待や希望を受け止め、それに応えていける歯医者でありたいと思っています。
美しい歯で若返ることは恥ずかしいことではありません。皆さんがもう始めています。
あなたも笑顔があふれる生活のクオリティーを味わって下さい。

※上記記事は2012.3に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

中村歯科クリニック 中村 裕子 院長

中村歯科クリニック中村 裕子 院長 NAKAMURA YUKO

中村歯科クリニック 中村 裕子 院長 NAKAMURA YUKO

  • 出身地: 栃木県
  • 趣味・特技: 色々と作ること(料理からパピ(わんこ)のセーターから花籠まで色々と)
  • 好きな映画: SF映画
  • 好きなスポーツ: アイスホッケー(応援してるよーン、日光アイスバックス)
  • 好きな音楽: J-POP
  • 好きな場所・観光地: 日光

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