鈴木 朋子 院長(SUZU DENTAL CLINIC(スズデンタルクリニック))のインタビュー

SUZU DENTAL CLINIC(スズデンタルクリニック) 鈴木 朋子 院長

SUZU DENTAL CLINIC(スズデンタルクリニック) 鈴木 朋子 院長 TOMOKO SUZUKI

鶴見大学歯学部を卒業後、同大学の補綴学第二講座へ。大学病院や開業医のもとで経験を重ね、「都筑ふれあいの丘駅」そばに開業。

子供の頃歯医者さん通いが好きだった理由と、歯科医を志されたきっかけをお聞かせください。

家の向かいには歯科医院、内科の医院、そしてたばこ・お菓子・生活用品全般を売る雑貨屋さんが並んでいて、わたしにとって歯医者さん通いは普通にお店に行くこととほぼ同じでした。ベランダから歯科医院の様子を見ることができ、そこで歯科衛生士さんにお会いすると、「ともちゃん、元気?」と声をかけてくださいました。お話ができることがうれしかったですね。治療で痛みを感じることはほとんどなかったため、治療の状況を観察することが楽しかったのです。「今日は何をしてくれるのかしら?」と、毎回先生が治療でお使いになる器具や薬剤への興味が尽きませんでした。たとえば、「前回は先がとがったもので削っていたけど、今回は丸いのね」とか「今日詰めたセメントの味は少しすっぱいけど、どうして違うのかしら」といったことです。治療台の引き出しにはサイズの異なる乳歯冠(子供の歯に被せる修復物)や道具が揃っていて、何か魔法の引き出しのようにも思えました。とにかく道具の種類が豊富だったことが楽しかったのです。すぐに先生にお聞きすればそれぞれのことはわかったと思いますが、不思議なものを見るワクワク感をずっと持っていたかったのかもしれません。ここまでお話しすると迷わず歯科医の道を選んだと思われてしまうのですが、高校のころはもっと夢見がちでした。教師、心理カウンセラー、ヘアメイクさんなどの選択肢について考え、一通り悩みました。しかし、「あなたは歯医者さんでしょ」という母の言葉に最後は背中を押されました。わたしのことをよくわかってくれていたと思います。もう一つは、文系か理系かの選択になったとき、現代国語よりは数学や理科を受験科目に選びたいと思ったためです。現代国語では回答が幾通りもある問題が出題されますが、数学や理科は回答が明快でわかりやすい。そこが好きでした。
大学卒業後は医局で2年勤務し、その後専科に1年所属してから開業医さんのクリニックでお世話になりました。幸いわたしたちのころから研修医制度が始まり、卒業後の勤務先選びでは苦労せずに済みました。研修医時代のクリニックの先生がそのまま雇用してくださいましたので、就職はスムースでした。そして一昨年の11月に、機が熟したと感じこちらに開業しました。クリニックは細部までこだわって作りましたので、満足しています。

デンタルエステというメニューについて、詳しく教えてください。

デンタルエステは、歯、歯茎、唇、顔の形、骨をさまざまな手法でケアするメニューです。口のまわりの筋肉を口腔の内側と外側から手や機械でほぐす施術などがあります。このメニューには審美的な要素もありますが、当院では口の健康に着目したメニューをより重点的にご提供させていただいています。わたしは口の健康が全身の健康に及ぼす影響を重視していまして、咬む機能がいかに大切かを痛感してきました。メニューの中には虫歯を治した後の「機能回復」も含まれます。たとえば骨折したとき、骨がきちんとつながったところで運動機能を取り戻すためのリハビリをします。同様の治療を歯科医も行うべきだと考えます。右に虫歯があって、左でずっとかむ癖がついてしまうと本来のかむ機能は損なわれます。一般的には詰め物をした後、「もう治療が終わりましたから、普通にかめますよ」と言って患者さんを送り出すわけですが、一度ついた癖はなかなか元に戻りにくい。筋肉が間違った使われ方をしますので、ゆくゆくはあごや骨にまで悪影響が及び、そのままほうっておくと食事を楽しめなくなるなどの弊害が出ます。開業の際考えたことは、「歯の治療だけではなくもっと患者さんに貢献できるサービスがないか」ということでした。ただ歯を治すだけではなく、機能を取り戻す措置は本来必要です。もう少し口の中の健康について、さまざまな方が関心を向けてくださるとよいのですが。ご自身の顔について考えるとき、実は口への関心が低いことが多いのです。たとえ口の中のことを考えても、歯を白くするなど審美的な側面のほうが注目されてしまいます。当院ではエステといっても機能回復の施術を第一に考えています。
咬むことには筋肉を利用しています。しかし骨がずれたままで筋肉のみケアしても効果が半減してしまうと思いSEASメディカルリンパアカデミーで小顔骨格矯正の資格を取得しました。筋肉をケアする近赤外線と一緒に施術することで、これによって口やあごのゆがみが改善されるわけですが、副次的には「小顔」になる効果もあります。わたしはこの施術に機能回復の効果があると思い、取り入れました。血流が促進されると表情が明るくなり、気持ちも晴れやかになります。ぜひ日々の暮らしで不調を感じていらっしゃる方にもご検討いただければと思います。
わたしは歯科業界にまだまだ未来があると信じています。歯科医師としてもっと健康に貢献できることがあるはずです。ふだん通われている鍼灸院と同じような位置づけで、歯医者も選択肢に入れて考えていただければ、これほどうれしいことはありません。実際、当院でもその効能を目的にお見えになる患者さんもいらっしゃいます。

診療方針について教えてください。

まず治療に必要な期間・予算のほかに、現在の疾患が将来及ぼす影響についてもご説明します。そのためには、(1)口の中の状況を写真でお撮りする(かみ合わせ含む)、(2)姿勢や体のバランスを拝見する、(3)ご職業、ふだんの生活サイクル、食事などの生活習慣をお聞きする…といったプロセスを経て客観的なデータと「暮らしぶり」とを資料として揃えます。そのプロセスを経て治療プランをご提供するわけですが、それぞれの方に合わせたオーダーメイドのものでなくてはなりません。同じ症状でもお子さんをお持ちのお母さんと、仕事を持っている方とでは治療計画はおのずと変わってくるからです。
そして歯科からのアプローチで、その方の健康にどう貢献できるかお話します。急性の炎症は早急に治療しますが、こうした一見遠回りにも見える段階を大切にしています 。

患者さんへの情報発信を大切にしていらっしゃいますが、どんなことをお伝えしたいですか?

歯医者をもっと身近に感じていただきたいと考えています。当院のイラストはスタッフの旦那様にお願いし、一目で覚えていただける親しみやすいものにしました。また、わたし自身歯の治療で苦労しましたから、その履歴をレントゲン写真でご覧いただこうと考えました。きちんと治して口の機能が回復すれば、食べられるものが増え、食事が楽しくなります。また歯並びもよくなり自信が持てるようにもなり全身の健康が実現できます。ご自身を大切にされたいなら、是非歯医者にお足を運んでいただきたいのです。その辺を訴えていけたらと思います。

診察で心がけていることと、最後に地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

月並みですが、歯医者さんへの恐怖心を取り除けるよう心がけています。相手の立場に立ち、施術で「怖い・痛い」と感じることは最低限にしています。どうしても治療に必要なことであれば、先にご説明をします。もちろん患者さんの気持ちを想像しながら、「うれしい」施術についても日々研究しています。
地域のみなさまには、用事がなくてもふらりと寄っていただける場所にしていただけたらと思います。開業して1年半ほどですが、最近は入学式の帰りにランドセルを見せにいらっしゃるお子さんがいて、うれしいですね 。

※上記記事は2014.5に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

SUZU DENTAL CLINIC(スズデンタルクリニック) 鈴木 朋子 院長

SUZU DENTAL CLINIC(スズデンタルクリニック)鈴木 朋子 院長 TOMOKO SUZUKI

SUZU DENTAL CLINIC(スズデンタルクリニック) 鈴木 朋子 院長 TOMOKO SUZUKI

  • 出身地: 東京都世田谷区
  • 趣味・特技: プリザーブド・フラワー。院内にも作品を飾っています。
  • 好きな本・愛読書: 道尾秀介、百田尚樹などの著書。特に自分自身に迷いがあったとき、「永遠のゼロ」(2006年、太田出版刊)を読んで自分の役割を再認識しました。
  • 好きな映画: 「アラジン」(1992年、米ウォルト・ディズニー)
  • 好きな言葉・座右の銘: 自分のブレない軸を一本持つこと。
  • 好きな音楽・アーティスト: 安室奈美恵
  • 好きな場所・観光地: 観光地は京都が好きです。ふだんはこの診療所が落ち着きます。

INFORMATION