百々 秀心 院長 & 絹子 事務長(こどもの木クリニック)のインタビュー

こどもの木クリニック 百々 秀心 院長 & 絹子 事務長

こどもの木クリニック 百々 秀心 院長 & 絹子 事務長 DODO HIDEMI & KINUKO

この道に入るきっかけと、これまでの経緯についてお聞かせください。

【百々 秀心 院長】父もドクターで親戚も医者ばかりという環境で育ったので、中学に入る頃には自然と決めていました。大学も父と同じ東京医科大学に進みました。しかも同じ小児科医に(笑)。
父は新潟大学の解剖学教室に勤務していたことがあって、東京医大の部活(馬術部)の後輩が新潟によく合宿に来るのを世話してたんです。僕はそういう人たちに遊んでもらい、とても可愛がってもらったので、父や彼らと同じ大学に行きたいという思いがまずありましたね。
医局も東京医大だったんですが、そこに籍を置いたまま、子どもの心臓を専門に勉強したいと思って、国立小児病院で1年間行かせてもらい、その後、東大の小児科に移って3年間勤務しました。それからカナダに渡ってトロント大学付属小児病院で六年勤めました。国家試験をパスしてカナダの医師免許も持っています。さらに、アメリカのUCLAへ1年間行きました。帰国後は成育医療研究センター(国立小児病院と国立大蔵病院が統合して誕生)の循環器科の医長を務め、2006年に自宅にも近いこの場所で開業しました。

『こどもの木クリニック』の特徴と治療方針をお聞かせください。

【百々 秀心 院長】小児科一般のほかに小児循環器を専門にやっているというのが特徴ですね。子どもの心臓を専門に診る数少ないクリニックです。子どもの心臓の病気は、大人と全然違って先天的なものが多いんです。生まれた時から心臓に穴が開いていたとか、弁がなかったりとか、本来なら4本あるはずの血管が3本しかないとか、そういう病気と、あとは不整脈で全体の8割を占めるんですよ。 ちょっと乱暴な言い方になりますが、「心臓に穴が開いていても放っておいて平気、80歳や90歳まで生きるよ」という子もいれば、産後すぐ処置(手術)が必要な子もいます。僕はそれを「胎児エコー」という方法で診察しています。言葉通りで、胎児の段階で病気を見つけるんです。妊娠20週で。例えば、「この子は産まれたらすぐに心臓の肥大がくるとか、逆にチアノーゼと言って唇が紫になる」とかね。ほかの病院からも診断が難しいからと胎児の状態で送ってきます。つまり、各病院から紹介されたお母さんたちですね。僕は、ここ都筑区の心臓健診の査定医院もしています。
それと、児童精神科のドクターに来てもらって、週に一回「こころの外来」というのをやっているんですよ。小児の精神科専門というのはとても少ないので、それもこのクリニックの特徴ですね。

診療の際に注意されているのはどんなことですか?

【百々 秀心 院長】これはトロントで学んだんですが、きちんと診断して、その結果をきちんと告げるっていうことですね。乳児健診や予防接種で来たのに異常がわかり、見た目はピンピンしているのに手術が必要ということになったら、本人も親も大変ですよ。でも、それを気休め的に言わないで、事実をはっきり告げて適切な処置をするのが大事だと考えています。
それと、子どもの場合はまず恐怖心を与えてはいけない。そのために、何をなんのために行うのかをちゃんとわかるように説明するということですね。難しくはなくて、例えば「これからこの聴診器で胸の音を聴きます」、「次は、リンパ腺が腫れているかいないかを診るために首を触ります」といった風に。薬も、これはなんのために使うのかということをね。
僕は、ホームランは打たなくてもいいので三振をしない診療を心がけています。「こんな珍しいものを見つけちゃったよ」というより、当たり前のものを見逃さないようにする。心臓に大きな穴を見つけて、そっちばかりに気を取られて弁の漏れを見るのを忘れたとかね。

今後、取り組んでいきたいことはなんでしょうか?

【百々 秀心 院長】これは医療とは直接関係ないんですが、僕と同じように海外で学びたいという若手のドクターが紹介されて来るんですよ。そういう人に向こうの実情を話したり、治療の様子を見せたりしています。僕のやり方は、アメリカナイズされているというか、普通の日本のスタイルとはちょっと違うのかなあと思うんですよ。海外の病院ともコネクションがあるので、日本の若手研修医に向こうで学んでもらうために協力し続けたいと考えています。

最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。

【百々 絹子 事務長】主人は都筑区の小児科会の会長をしているのですが、月に3回程度、外国人講師を招いて英語のレッスンをしてもらっています。無料で。都筑区から海外に羽ばたこうと思っている若手医師を支援するために始めたのですが、今ではドクター以外の、例えば薬剤師さんや病院の受付といった人たちにも広く門戸を開放しています。

【百々 秀心 院長】
その英語教室では文法や、手紙の書き方などの文章力を勉強しますが、日本人に一番欠けているのはプレゼンテーション能力なのでそれをみっちりやります。国際的に通用する感覚を身につけて、都筑から世界に乗り出す若者が増えてくれたらうれしいですね。
特殊な例もお話ししましたが、一般の小児外来がなんと言っても一番多いわけです。地域のお子さんが安心して成長できるようこれからも努力していきます。

※上記記事は2014.8に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

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