安部 裕司 院長(CMポートクリニック)のインタビュー

CMポートクリニック 安部 裕司 院長

CMポートクリニック 安部 裕司 院長 YUJI ABE

大学卒業後、産婦人科を専門に研鑽を積む。不妊治療を中心に経験を重ね、横浜市都筑区に開業。

医師を志されたきっかけと、開業されるまでの経緯について教えてください。

医師であるおじやいとこの影響が大きく、小学校低学年の頃にはすでに医師になりたいと決めていました。そんな気持ちを決定づけたのは、重病にかかっていた妹が大手術を受け、命を助けていただいたことです。助かる見込みが低かった妹を治してくださった先生が、やはり子ども心にとても頼もしく思えたのです。
もちろんわたしにも夢見がちな時期があり、ポール・マッカートニーに憧れてベースを手にし、ミュージシャンになれたら….と思ったこともありました。しかし成長するにつれ、患者さん1人1人に親身に接し、勇気づけながら病気を治していく医師の仕事に一生を捧げていきたいと考えるようになりました。

大学卒業後は産婦人科の医局に入局し、臨床にあたりながら研究を続けました。産婦人科、特にその中でも不妊治療を専門として選びましたのは、日々細胞分裂を繰り返して進化する卵子を見たことがきっかけです。最初は0.1ミリ程度の大きさだったものが赤ちゃんになり、さらに進化を続けて一人の人になります。こんな感動的なことはありません。まさに「生命の神秘」を目の当たりにした気持ちになりました。

不妊治療に特化したクリニックを設立された理由について教えてください。

とにかく得意分野を活かしてみなさまに貢献したかったことが一番の理由です。不妊治療については大学で基礎から学んでおりますので、かなり専門性の高い医療をご提供できます。これがわたしの「強み」です。2007年に開業したのですが、当院はあえて「産婦人科」と記していません。「産婦人科」と表記する必要がある場合は、後ろにカッコ付けで「高度生殖医療」と併記させていただいています。
基本的には都筑区の患者さんが多いのですが、日本全国からさまざまな患者さんが来院され、毎日70-100名の方とお会いしています。ですので、夜は22:00ごろまで開けています。近年は専門のクリニックが増えてきたので、以前に比べて少し楽にはなりました。

この道に入るきっかけと、これまでの経緯についてお聞かせください。治療の流れについて教えてください。

まずはお会いして話をお聞ききし、不妊原因を見つけます。ほとんどのケースが原因不明によるものですから、まずはタイミング指導から始めます。排卵日を見つけて半年間、7回に渡って自然な妊娠を試みます。統計を取っているわけではありませんが、不妊治療を当院で始めた方の5割くらいはタイミング指導で妊娠に成功します。年齢を重ねた方、他院で相談された経緯がある方は残念ながらその限りではありません。やはり35歳以下の方は妊娠される確率は高いです。生物学的に見ましても若い人の方が妊娠しやすいですし、生まれたお子さんを育てるのも体力があり有利です。「妊娠」はゴールではなく、出産した後はお子さんと向き合って育てていかなくてはなりません。ライフスタイルが多様化し、有職女性が増えましたので、患者さんはさまざまな事情を抱えていらっしゃいます。年齢を重ねてから妊娠を望まれる方にも尽力いたしますので、ご相談ください。ただ結婚されていてお子さんを望まれている場合、いわゆる「妊活」を始める時期は早いに越したことはありません。

不妊の原因の一つがストレスだそうですね。

ストレスが体のさまざまな箇所に悪影響を及ぼすことはみなさまご存じだと思うのですが、排卵にも影響を及ぼします。ストレスが高い環境ですと、排卵ができなくなります。一方、引っ越した、不妊治療をやめた、など環境が一変することで心理的な圧迫が軽減されて妊娠できた、というケースは昔からよく見聞きしていました、
これはあくまで私の持論であり、学説とは異なると思うのですが、妊娠しますと当然体は身動きが取れなくなり危機回避能力も低下します。危険が迫っていても、自身とお腹の中の子供を守れなくなるのです。人間も哺乳動物ですから、ゆったりと過ごせていつでも食べ物が確保できる環境であれば、妊娠の確率は高まると思います。敵がいつ攻めてくるかわからなければ、生体反応として排卵しにくくなるという現象は自然の摂理であるように思います。これも、統計を取っているわけではないのですが(笑)。

診察で心がけていること地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

診察で心がけておりますことは、わたしの都合で患者さんに不利益を与えないことです。実は正月と夏休み、設備のメンテナンス時(年2回)以外わたしに休みはありません。患者さんの排卵はいつ来るかわからないこともありますから、そのタイミングを逸してしまったら取り返しがつきません。ただわたしも人間ですので、前述の休みは取らせていただかなくてはなりません。その時期に排卵が来てしまう患者さんには、本当に申し訳なく思っています。ただその期間以外全力で働くことは、わたしの「義務」です。わたしが治療にあたることができないその1日は、その患者さんにとっては大切な1日なのです。心がけているもう一つのことは、わたし1人が責任をもって最初から最後までお世話をさせていただくことです。
地域の方、ならびに患者さんに一番お伝えしたいことは、良い卵子が良い精子と出会うチャンスを逃さないようにしていただきたいということです。残念ながら、そのタイミングはいつでもあるわけではないのです。

妊娠は卵子だけの問題ではありません。活発で元気のよい精子を常時出せる方ばかりではなく、どうしても波がある方もいらっしゃいます。また厄介なのは、元気な精子が出るタイミングが一定ではないことなのです。まずはご来院の上、ご相談いただけたらと思います。

※上記記事は2014.11に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

CMポートクリニック 安部 裕司 院長

CMポートクリニック安部 裕司 院長 YUJI ABE

CMポートクリニック 安部 裕司 院長 YUJI ABE

  • 好きな言葉・座右の銘: 「あおいくま」(あせるな、おこるな、いばるな、くさるな、まけるな)
  • 好きな音楽・アーティスト: ビートルズ
  • 好きな場所・観光地: 自宅
  • 出身地: 大分県別府市
  • 趣味・特技: 現在亀の飼育に凝っています。一生を水の中で過ごす亀です。スポーツ観戦も楽しみます。
  • 好きな本・愛読書: 時代小説。特に現在好きなのは「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズ(2002年~、佐伯泰英著、双葉文庫)
  • 好きな映画: 小さな恋のメロディ

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