佐々木 文彦 院長（ささき歯科クリニック)のインタビュー

アットホームで優しい歯医者んを目指して

今は虫歯とは縁がなくなりましたけども、子供の頃は結構苦しんだものなのです。それで通っていた歯医者さんがすごく優しい方だったんですね。元来、歯科の治療は、イヤなものです（苦笑）。当時は、痛いのが当たり前の時代でした。そうした中でその先生の存在は逆に目立ったのでしょう。「こんな先生になりたい」。そう思える人に出会ったことが、この道に進む1つのきっかけとなりました。大学卒業後は口腔外科に入局しました。この先ずっと歯医者さんとしてやっていくのであれば、その時期にしか学べない、一般の開業医では出来ない経験をしたいと考えたのです。癌を含む全身管理の出来る歯医者さんを目指したいと考えたのですね。
『ささき歯科クリニック』は2002年に開院いたしました。学生時代に友人がこの仲町台に住んでおりまして、その頃からこの街を見知っていました。港北ニュータウンの中でも、こちらはこじんまりとはしていますけども、落ち着いた雰囲気の街並みが広がっています。アットホームな歯医者さんを目標にしていた私にとって、この雰囲気がピタリと一致したのです。

良好なコミュニケーションが良質な治療に結びつく

よく話をし、しっかりわかっていただいてから治療に臨みたいと思い、これまで診療を続けてきました。インフォームドコンセントは大前提ですが、それ以上に、人とのふれあいを重視しています。冒頭にも述べましたけども、歯医者さんに来るのが好きな人は少ないと思いますし、大半の方は緊張して来院されるわけです。その緊張を和らげるのは、お互いの信頼関係ではないでしょうか。医療とは直接結びつかないような、何気ない会話の1つひとつが治療の緊張を解きほぐすことになると私は信じています。もともとが話好きなものですから、意図してやってきたことではないかもしれません（笑）。思い返してみれば、小さい頃に通っていた優しい歯医者さんのことが頭にあったのかもしれないですね。

口腔がんの早期発見・診断に力を

口腔外科出身の歯科医師として、口腔がんの早期発見・診断に最大限の注意を払っています。その診断は難しいものがありますが、ちょっとした異変に気付くのが早ければ早いぶんだけ、予後に大きな違いが生まれます。口腔がんが他の腫瘍と大きく異なるのは、部位が部位だけに、術後の“見た目”に大きく関係すること。だからこそなおさら、早く気づくことが重要なんですね。今も大学病院の現場で口腔がんを専門に診ておられる先生方と同じ力量というわけにはいかないかもしれませんが、経験を生かしつつ、常に情報をアップデートすることを心がけながら、命を守り、QOLを維持できるよう貢献していきたいと考えています。

患者さんが選んだ治療の中で最善を尽くす

口腔外科を専門とするものとしてインプラント治療も扱っていますが、かといって1つの分野に特化しているということはございません。治療に、絶対はないと思うのです。インプラントにしても費用の問題もありますし、全身疾患の有無、あるいは骨の状態によっては可能な人とそうではない人もいらっしゃいます。患者さんの望みは人それぞれ。あらゆる選択肢のメリット・デメリットを余すところなくお伝えし、患者さんが選んだ治療の中で最善を尽くしていきたいと思っています。この歳になりますと、趣味などはだんだんと「これくらいでいいか」と満足しがちなものです（笑）。しかし、医療はそういうわけにはまいりません。歯科医療も少しずつ少しずつ進歩し続けています。患者さんの利益を第一に考え、新しいものも柔軟に取り入れていきたいと考えています。

これから受診される患者さんへ

口腔外科を専門に掘り下げてきたキャリアを持つものとして、その責任を全うしてまいります。なかなか治らない口内炎など、心配なことがあればいつでもお気軽にご相談ください。
自分に合う歯医者さん選びは難しいものですよね。1つ言えることは、わからないことを聞いてもらえる、そして聞きやすい先生を選んでいただくことでしょう。私たちの立場から申しますと、技術さえ優れていれば良い、という時代ではないと思うのです。技術がおろそかになってはいけませんが、患者さんが話しやすい環境であることを何より重視すべきでしょう。患者さんがご自身の状態を理解いただいてこその治療と私どもは考えています。治療についてわからないことが1つでもありましたら、どうぞお気軽におたずねください。

※上記記事は2020年11月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。